うつ徒然diary

鬱になって行く過程をせきららに書きました。その後、治療の為に自分なりにもがきます。

失踪①

冷静になって考えてみれば、全て準備不足だ。行き当たりばったりで僕らしくない。

睡眠導入剤の時も、一緒に煉炭を焚くべきだった。遺書も幼稚だ。

両親、友人、仕事の関係者に会わせる顔がない。今頃みんなどうしているだろうか?つかれた…空腹感と眠気がすごい。

福井駅まで戻り、立ち食いソバを食べた。旨かった。味覚が戻っていた。

このまま田舎に帰り、全てをぶちまけてやりたくなったが、できなかった。バカだ…死んだ方がいい。

東京に戻り、ネットカフェに泊まる。とにかく横になりたかった。その日もよく眠れなかった。

翌日、タクシーで働いていた店の近くまできたが、どうしても訪ねる事ができなかった。

再びネットカフェに泊まる。

そこで始めて風呂に入っていない事に気づいた。靴と足の裏の土、脂ぎった髪、暴れた時にできた体の傷、草のついたパーカー。

鏡に写すとヒドイ顔だった。目がイッている。ひげもすごい。シャワーが傷にしみた。

久しぶりにさっぱりして、泥の様に眠った。

首吊り

生きるのにつかれました。

すみません。

全て自分の責任です。

迷惑をかけてすみません。

2015 10/2 〇〇〇〇

バッグに入っていたクシャクシャのメモ用紙に遺書を書く。汚ない字だった。

考えてみようとするが、まとまらない。短い文章になる。異常だと思う。

腰のベルトを枝に引っかけて輪っかを作る。

[一回目] 失敗 足が地面につく。

再び木を探す。次は体の向きを変えてみる。

[二回目] 失敗 手と足で木にしがみつく。

[三回目] 失敗

吊っていた時、スズメバチが接近してきた。

刺されたら痛そうだな、死んだ後僕の体に虫が集まってくるな、そう考えたら急に怖くなり、凄まじい力で木に足を引っかけ、手でベルトを持ち脱出していた。あと10秒もあれば逝っていただろうに…

三回の未遂で手と足もパンパンに張っていた。体育座りでしばらく呆然としていた。

手の平はすりきれている。木によし上る為に靴を脱いだ足は土まみれだ。

天気が良くて、木漏れ日が降り注ぎ、風が心地よかった。

死ぬ事もできない。生きる事もできない。

絶望する。

死へと向かう

目覚めるといつもの僕の部屋だった。死んでいないらしい。起きると吐き気と頭痛がした。足下がふらつき、上手く歩けない。這いつくばってトイレに行って用を足し、気を沈めた。

水を飲みながら、携帯を確認すると翌日のa.m.2:00だった。20時間程昏睡していたらしい。着信履歴も凄い量だった。先輩のラインの文字が見える。

[辞めるなら辞めるでいいけど、挨拶ぐらいしろよ]

僕は携帯の電源を切った。

僕の部屋は8階にあり、そこの窓を開け下を見下ろす。[飛び降りは嫌だな]そう思うと急に恐ろしくなり、下着と靴下、Tシャツをバッグにつめ込み逃げる様に部屋を出た。

外は小雨が降っていた。駅に向かって歩いていると腹が減ってきた。

「こんな時なのに腹が減るのかよ。」思わず嘆いていた。近くの松屋に入り定食を食べた。一息ついてこの後の事を考える。死ぬしかない。でもどこでどうやって?

そんな時北陸に東尋坊という自殺の名所がある事を思い出す。海で、美しい場所で、死ぬ。目的地が決まった。

金をATMでおろし、東京駅に向かった。タブレットで道順を調べる。芦原温泉駅からバスがでているらしい。10:10発のひかりで福井へ向かう。米原で特急しらさぎに乗り換える。不思議と心は穏やかだった。焦る必要もなく、物事を考える事ができた。昏睡したおかげだ。

駅に着いた。空は快晴で暖かい。空気も気持ち良い。近くに山が見えた。

[首吊りもいいな]

そう思い、予定を変更して山へと歩いた。地元の下校途中の小学生に挨拶されてビビった。どう考えても不審者だと思うが…

風も気持ちよく、のんびり歩いた。林を見つけて、なかに入り、ちょうどよさそうな木を探した。枝が太く、僕の背たけより高い位置にあり、体重も支えられる木はなかなか見つけられなかった。

なんとか探しだし、そこで遺書を書いていないことに気が付いた。