神社にて
思えばここ数年、忙しくて厄払いもしていない。それほど信仰深くはない。だがしばらく悪い事が続いた。東京を離れる前に、けじめをつける為にもお祓いをしてみたかった。
スパに行き身体を清めてから神社に行き、お祓いを申し込む。お心付けで五千円。もう一人厄払いの女性もいたのでまとめてお祓いしてもらう。
50代の眼鏡をかけた男の神主だった。水色の袴を着ている。神前に通され椅子に座る。お祓いの最中に自分の名前、住所を大きな声で唱えられる。
榊を渡され、神前に奉納した。その後お神酒を飲み、御守りや神社の年間を通しての予定表、絵馬、それと節分が近いからとお豆を渡された。時間にして10分ぐらいだろうか。
「はるばる遠い所からありがとうございます。」
「いや、10年こっちに住んでいたんですが、身体を壊してしまって、田舎に帰るんですよ。お世話になったこの神社でお祓いしていだだきたくて・・・」
「それは、それは」
笑顔でお見送りしてもらった。
絵馬を書く。なにを書くか迷う。
[前向きに生きたい]
願いを込めそう書いた。雨が強くなり、身体が冷えてきた。
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