うつ徒然diary

鬱になって行く過程をせきららに書きました。その後、治療の為に自分なりにもがきます。

決断

a.m.8:40自宅に業者が2人やってきた。どちらも50代をこえたベテラン。名刺をいただく。男の方が上司らしく、交渉は女性が行う。

「お客様に気にいってもらえそうな車を一台持ってきました。乗ってみますか?」

外に出て、車を見てみる。

タントエグゼカスタム ブラック 車検H28年9月 走行距離17000㎞ ETC カーナビ スノータイヤ4個付き スマートキー レーダー探知機 バックモニター 整備済 全て込みで100万円

内装も僕好みのブラックで統一されていた。フロントも無骨な感じが気にいった。

「契約していただいたら、名義変更するだけで2日後には納車できます。」

[マジか・・・]そんなに早いものなのだろうか?大丈夫か?

「お父様のご紹介でしたので、とっておきの一台をもってきました。」

笑顔の接客だった。

その事パンフレットを渡されて、最新の新車の相場を見比べる。オプションをつければ軽く150万円は超えるものばかりだった。

「考えさせてください。」

「高いお買い物ですから。じっくり選んでください。」

一旦保留してあの車の相場を調べてみる。どのサイトでも120万円ぐらいだった。中にはスペックが落ちて、オプションなしで同価格の車もある。

出来ればすぐ乗りたい。ウダウダするのはもう嫌だった。

「俺が買った時はチャリと同じ感覚だった」

父親から一言。

買ってしまおう!

葛藤

欲しい車とは何か?

燃費が良い。維持費が安い。乗る人数は2~3人。駐車スペースはある。最新式でなくてよい。予算100万円。

となるとやはり軽自動車である。最近の軽自動車は凄いらしい。下手したらコンパクトカーの方が安い事もある。

スズキ(ハスラー、ジムニー、ワゴンR)

ホンダ(N-one、N-boX)

ダイハツ(ムーヴ、ミライース、タント)

ここら辺だろうか。車に興味がなかったのであわてて調べる。

「最初の内は軽自動車にしとけ。慣れたら普通車に乗り換えればいい。」

父親は言う。そうはいっても悩む。

本当に無職の身で買う必要があるのか?今後も田舎に残るのか?違う事に金を使った方がいいのでは?

明日自宅に業者がやってくる。一日中車の事を調べ続けて、頭が痛くなってきた。

提案

病院に行くにしても買い物にしても、田舎は交通手段に欠ける。雪国で徒歩と自転車はきつい。

「お前、車買ったら?」

「え?」

父親に突然言われる。

「俺も普段良く乗るし、いつまでも共有するわけにもいかないだろう?」

「まぁ、そうだけど・・・」

「田舎じゃ一人一台は当たり前だよ。行動範囲も広がるしな。引きこもってもしょうがない。何より外出するのも、お前の治療の為でもある。」

「治療の為・・・」

悪くない。どうせ一度捨てた金と命だ。開き直って色々やってみるのもいいかもしれない。金はまだある。

「わかった。買うよ」

「俺の会社の系列で車扱ってるから。維持費の安い中古の軽自動車でいいだろう?連絡しとくよ。」

「お願いします。」

家でダラダラ過ごすのも辛い。途方に暮れていた時の父親の提案だった。

無職で人生初の車を買う事になった。

大丈夫かな・・・