うつ徒然diary

鬱になって行く過程をせきららに書きました。その後、治療の為に自分なりにもがきます。

姐御

不動産屋と別れ五反田へ向かう。9月17日に自分が悩んでいる事を打ち明けた、唯一の女性に会いに行く。笑顔が素敵な可愛らしい人だが、恋人ではない。
「久しぶりね」
「そうですね」
他愛ない話を続けしばらくした後、僕は言った。
「今日で会うのが最後かもしれない」
僕は鬱になり自殺未遂をして失踪し、少し立ち直ったが会社を辞め田舎で自宅療養する事を告げた。
「今日引っ越しも終わってさ。帰る前に直接会って挨拶がしたくて。色々お世話になりました」
彼女は驚いてはいたが、親身になって話を聞いてくれていた。彼女のお父さんも実は鬱になって自殺していたらしく、鬱に対する知識も理解もある人だった。
「9月17日に会った時、病んでたもんねー。実は私もあの頃、仕事で色々あって落ち込んでてね。言い出せなかったの。」
僕も驚いていた。あの頃は自分の事しか考えていなかった。彼女も悩んでいたとは----
「今は大丈夫だよ。最近エステに通い出して、そこで愚痴を聞いてもらったりして、ストレス発散できてるの。夏までには痩せたいわ。」
彼女は終始笑顔だった。
「病気が直ったら、また東京に来なよ。」
「何年かかるかな----」
「あんたなら大丈夫。しぶとい人だから。」
背中をバンと叩かれた。[姐御----]心の中でそう呟く。
「頑張り過ぎない様に、頑張るよ。」
「お互いにね。」
僕らは五反田で別れた。