ケータイ
帰宅から三日後、なんとか手紙を書くことができた。親方、先輩、働いていた店にそれぞれ出した。推敲を母親にも手伝ってもらった。人としての最低限の礼儀は尽くしたつもりだ。
相変わらず夜の躁、朝の鬱は続いていた。
温かい食事と、眠る場所の心配をしなくてもいい。素晴らしい事だ。ダラダラ何もせずに過ごす。
「お前、大丈夫そうだな」
「見た目はね」
父親と会話をかわす。話相手がいる事も素晴らしい。
ケータイの解約と再契約をしに行く。
「同じ番号でいいですか?」
「変えてください。」
即決した。一度人間関係をリセットする事にした。SNSは便利だが、今では恐怖でしかなかった。信頼できる人間だけと連絡をとろうと思う。
人間関係に疲れた。距離をおいた方がいいだろう。
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