うつ徒然diary

鬱になって行く過程をせきららに書きました。その後、治療の為に自分なりにもがきます。

予兆

寿司職人として10年目を迎え、新しい事をしてみたくなり、先輩が自分の店を出す事を聞きつけ、雇ってもらえる事になりました。

しかしまだ店はできておらず、その間先輩が働いている店の姉妹店に助っ人として働く事になりました。

そこは忙しい店で、終電に乗れるギリギリまで働き、片付けは任せていました。しかし罪悪感と通勤手当がないのが馬鹿らしくなり、思いきって引っ越す事にしました。先輩の店にも通えるチャリ圏内の物件を探しだします。毎週月曜日が定休日だったので、区役所の手続きや引っ越しの手配なので最初の1か月は休みがないようなものでした。

僕が勤め始める前に、若い衆が逃げてしまったらしく、ホールも厨房も慢性的な人手不足状態で、僕が一番下の立場のようなものでした。年下のスタッフに気をつかわれて、それでもなんとかランチは握らせてもらい、追い回しから仕込みに掃除、整理整頓に電話番と率先してやっていました。ストレス発散することもなく、しんどい日々が続きます。

1か月も過ぎ、スタッフとも打ち解け慣れ始めた頃、突然親方から船に乗ってくれないかと言われます。乗船する予定だった人間が交通事故でケガをしてしまい、回り回って僕に白羽の矢が立ったらしいのです。全国をクルーズするらしく期間は2か月程、しかも2日後。

こんな機会もうないかも知れない。僕は受けてしまいました。

今思えば、体調不良や経験不足を理由に断るべきでした。

転職、引っ越し、船。

僕はこれも試練だと安易に考えていました。